子どもの発達とおもちゃ

子ども達の無心に遊ぶ姿 おもちゃに向けるまなざしから私たちはどれだけ多くのことを知ることが出来るでしょう。
子どもの様子を写真で追ってみました。良いおもちゃがひとりひとりの子どもの育ちに寄り添うことを願いながら。

新生児〜6ヶ月頃

1 安心の居場所

新生児には驚くほどの能力があるにもかかわらず、ひとりではなにもできません。安心できる環境のもとで、ゆっくりひとりずつ順番にできることを増やしていきます。いつもと同じ時間が流れ、いつもと同じ場所に戻る…このことがどれだけ安心につながっているか、私たちには計り知れません。

2 見える不思議

見えているものが動く-どこへ行くのか追いかけてみる-追視できる範囲が、赤ちゃんが自ら見つけた世界。「見たい!」その心の動きが追視を誘います。ですから興味を引く色や音のおもちゃ、そしておもちゃの向こうにいる人が「見たい」気持ちを大事に育て、世界をどんどん広げてくれるのです。

3 手の発見

指を絡ませて遊び、不思議そうにじっと自分の手の動きを見つめる赤ちゃん、何度も試すように繰り返しながら、見えている手足が自分の身体の延長であることがわかってきます。ふとおもちゃに触れたり握ったり、はたまた口に入れてみることで、「もの」の存在に気づきだしたら、また一つ新しい世界が広がります。

4 物の探求

「好奇心」が沸いてきますように。「探究心」が芽生えますように。達成感を感じてくれますように。なぜなら、この繰り返しが身体を育て、心を育てていくから… 座れるようになると、両手でものがつかめます。手を伸ばしたら届くところにあるおもちゃ、それを手に取るとまるで自分の手のごとく眺めます。そのうちに、偶然おもちゃが動き、音が鳴り、手に触れる感触が変わって…おもちゃに新たな発見が生まれます。好奇心が、自ら動かす意思を芽生えさせ、探究心が育ちます。

「好奇心」が沸いてきますように。「探究心」が芽生えますように。達成感を感じてくれますように。 なぜなら、この繰り返しが身体を育て、心を育てていくから…

6ヶ月頃〜2歳頃

5 からだが育つ-ハイハイ

ハイハイ運動は、運動能力の全てを決める、と言われているほど基本的で重要な運動です。しっかりハイハイすることは足腰を強めるだけでなく、その後の成長にとって大切な神経系統の発達に大きな影響を与えています。自分の興味を満たす、そこへ行けば嬉しいことが待っている-そんな赤ちゃんの心の動きが、おのずとハイハイ運動を引き出し促すのです。

6 からだが育つ-歩く

自分の足で立つこと、そして一歩一歩進むこと、こんなに劇的に空間の変化を感じられることは他にないかもしれません。ただただ歩けることがうれしい、そんな時期を大切にしてあげましょう。また、おもちゃと一緒に歩くことは意外と難しいことですが、おもちゃは自分の思いどおりになる身近な道具、チャレンジしながら、自分に自身をつけていきます。

7  手でわかる・手で学ぶ

同じ遊びを繰り返すのが子どもの遊びの特徴であり、この中にこそ「わかること」の秘密があります。子供は手を使って自らの力でわかっていくのです。自らの手で繰り返し足繰り返し遊び、遊びつくして、そしてはっと気づくのです。これが更なる満足感につながり、自分の人生の柱として大切な情緒の安定を得ます。自分自身の手で分かることが大事なのです。

1歳半頃〜4歳頃

8 心の育ち-空間を知る

ものが一時的に視野から消えても、それはなくなったのではなく、後から現れるということが分かり始めると、子どもはものを「探索」する力を発揮し、消えたり見えたりするおもしろさから「かくれんぼ」遊びに展開済ます。これは「ものの永続性」といわれ、次第に母親から不安なく分離できる能力も育てます。

9 心の育ち-繰り返し

動きや音のあるおもちゃは子どもの心を引き付けます。この繰り返したくなる仕掛け・動きや音は子どもが働きかけることから始まります。さらに子どもは「どうなっているの?」といった、仕掛けへの興味も感じ始めます。繰り返しが魅力的なおもちゃで遊ぶことで「観察」し「思考」し仕組みを「発見」しようとする知的作業を無意識のうちに積み重ねています。

何度も同じ事を繰り返すのは、自分自身を探求しているから。無限の力を確かめるためにチャレンジし、感動し満足し達成感を味わって、そこから勇気を得て新しいことに向かう。

10 わかる喜び-同じ

違う同じ絵や形を見つけたうれしさ、分かれたカードがぴったり合う心地よさ、きれいに並べられた満足感。そんな様々な気持ちが、自分のなかの「見て比べて理解する力」「ひらめきを形に表す力」に気付かせてくれます。これは分類という力で。これから身につけていく「ことば」や「かず」の理解のためにも欠かせない大切な力です。

11 わかる喜び-形・大きさ

2歳ぐらいまではどれも同じような形にしか見えていないものが、遊びの中で実際に手を使い、触角も含め視覚以外の全ての感覚も駆使することで、形やものを理解していく、ということがわかっています。遊びを通して具体的に形に触れ、試し、繰り返すこと-分かるまでのその時間こそが大切です。

3歳頃〜大人まで

12 社会に出会う-ごっこ

遊びの中で「他者とのかかわり」がより重要になってくるのがこの頃です。自分中心の遊びから、他者を必要とする社会性を伴った遊びへと変化していきます。子どもたちは遊びの中で試行錯誤しながら、社会性を育てているのです。

13 社会性に出会う-ゲーム

ゲーム遊びは、子どももおとなもみんなで楽しく遊べるのが魅力です。みんなで遊ぶことには、ルールを守る、相手と楽しみを共にする、など心を育てる大切な要素が含まれています。今こそ子どもといっしょに遊びを楽しみましょう。親からたっぷりと遊んでもらった子どもは、社会性という果実を手に入れることができるとも言えます。

ニコニコ、わいわい、ひそひそ、あっかんべ?。いろんなことがあるけれど、やっぱり”一緒”はたのしいね。おもちゃは子どもたちと社会をつなぐ大切なツールです。

14 社会に出会う-家族

人間関係の機微を学習で学ぶことは困難です。遊びには現実に劣らないくらい、ハラハラドキドキする人生ドラマがあります。複雑な人間関係を学ぶチャンスとも言えます。また、楽しそうなおとなの姿を見せることは、子ども同士で遊ぶことと同じくらい大切です。世代を超えた関わり、地域のコミュニティーでも様々なことを経験して欲しいものです。

子育てしながらおとなも生活を楽しみたい、そう考えるのは当たり前のこと。子どもも一緒に巻き込んで、生活を楽しんでみませんか。

写真・文章の一部はブラザージョルダン社の転用

 
 
copyright Toy-Toy. All Right Reserved.